連載 わたしのことをわたしから・32
乳がんⅣ期を遊泳中―その4
内田 あさみ
pp.1048-1049
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101494
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前回,私の乳がんは手術をしないのが標準治療であるにもかかわらず,主治医は私の希望を押し切って温存手術をし,その直後に切除手術を行なった経緯を書いた。何のためだったかといえば,病院の温存手術例数を上げるためだったことは明白で,私以外でも行なわれているということもすでに書いた。
今年の何月ごろだったかある全国紙に,病院ごとの乳がん温存手術件数が載っていた。私が手術をしたA病院は400件近くで,それはがん専門病院などと比べると少ないが,乳腺センターを開設後,4年目にしては十分に努力目標を達成しているのではないかと思えた。このなかには,私の手術もカウントされているだろう。温存手術数を上げるためには,患者の負担などかまっていられない。ドンドン切ってドンドン集客……,どこかの防虫剤のCMみたいだ。
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