特集 口腔ケア 在宅でここまでできる
がん患者への口腔ケアの実践―口腔ケア用品の開発とその応用
大田 洋二郎
1
1静岡県立静岡がんセンター歯科口腔外科
pp.912-916
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101462
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終末期の在宅医療と口腔ケア
がんの終末期の患者を対象とする在宅医療は,終末期の在宅医療(ホスピスケア)とよばれ,訪問看護もすでに大きな役割を果たし始めています。2006年に策定されたがん対策推進基本計画では,がん診療拠点病院を中核とした地域連携パスの策定がノルマ化されましたので,地域診療所やその他の一般病院とのネットワークのなかに終末期在宅医療もしっかりと組み込まれ,今後確実に普及していくでしょう1)。
この終末期の在宅医療の口腔ケアに目を向けてみると,脳血管障害や認知症などの患者を看る慢性期の在宅医療と異なり,介護の期間が非常に短く,平均3か月といわれています。そのため,がん終末期の口腔ケアは,慢性期在宅ケアで普及している肺炎予防や嚥下リハビリを目的とした口腔ケアと共通する部分もありますが,症状緩和を目的としたケアが主体になります。
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