特集 訪問入浴サービスへの思い
「ありがとう」と言えませんが,母はお風呂が大好きです
早乙女 亮子
pp.752-753
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101420
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格闘しながらの入浴
母(98歳)の徘徊が始まったのは80代の後半,それは驚くほどの健脚ぶりで,娘の私はついて歩くのが一苦労でした。その頃は,具体的に言葉をかけて指図をすれば,一人でもなんとかお風呂に入ることができていました。しかし,次第にそれが難しくなっていき,そうなってからは私が一緒に入って介助するようになりました。
一緒に入るにもかかわらず,なぜか浴槽に入るのを怖がり,入ってもすぐに立ち上がってしまいます。ゆっくり手すりにつかまらせ,ゆっくり片足ずつ押さえ,母を支えながらお湯につかり温まらせるのですが,それでもすぐ立ち上がりたがります。機嫌の良い時は髪を洗うこともできましたが,暴れたり,大声でわめきちらしたりする時は,身体を洗うのもお湯につかってもらうのも大格闘でした。とうとう身体の小さい私には手におえなくなり,ケアマネジャーさんに相談して入浴介助をお願いしたのが,2005年1月のことでした。
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