連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 短時間正職員制度
石田 昌宏
pp.757
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101156
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日本看護協会が,「2008年度版 看護管理者のための選ばれる職場づくりマニュアル」を作成・配布した。これは昨年から3か年計画で実行されている看護職確保定着推進事業の一環として行なわれている事業だ。昨年のマニュアルから大幅に変更を加え,44ページだったものが90ページまで倍増した。多様な勤務形態の先行事例や導入方法,さらに人件費コストのシミュレーションまでを盛り込み,内容はページ数以上に改善されている。私のお気に入りの「奥義書」のトピックスもますます充実。「トップが本気にならなかったら,いったい誰がついて来ますか?!」(リスクマネジメントに関して),「多少のお金より『時間』が欲しい。その気持ち買いましょう!」(勤務形態の工夫に関して),「実は労組の皆さんも経営者も同じ不安を抱いています。一緒に氷解させましょう」(管理者の不安の対処法に関して)など,明確なメッセージがうれしい。ぜひご一読をおすすめしたい。
さて,このマニュアルで特に強調しているのは「短時間正職員制度」。福利厚生や社会保険などはフルタイムの正職員と同様の扱いだが,就業規則上の所定労働時間が短く,それに応じた給料を受けて就業する正職員のことをいう。雇用する側としては,勤務時間等に応じて何種類かの就業規則をつくることになる。たとえば,同じ正職員でも週40時間の人と週32時間の人,それぞれの就業規則があるわけだ。
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