特別記事
大都市における在宅医療の実際と在宅療養支援診療所の課題
英 裕雄
1
1新宿ヒロクリニック
pp.570-576
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101114
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人口が首都圏や大都市圏に集中してきている結果として,高齢者人口もこれらの地域において大幅に増加することが予想されている。同時に都市部では地価が高騰しており,施設整備が困難であるうえに,もともと介護保険施設・療養型病院が少ないことから入院や入所による療養は困難な状況にある。一方で有料老人ホームなどの施設は整備が進んでいるが,費用の問題などから必ずしも高齢者一般の療養場所としては期待しづらい状況となっている。
また,東京都では介護が必要となった場合に自宅での対応を望む人は66%に達するといわれていることから(表1),自宅での介護提供や在宅医療の充実をはかる必要があると考えられる。しかし,核家族化や住宅の狭小化などが進み,高齢者夫婦の単独世帯や高齢者の独居世帯も非常に増加しているため,家庭療養も容易でないという特徴がある。
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