特集 自己決定を支える排泄ケア―相談員育成による取り組みから
排泄ケアマネジメント相談員によるネットワークと今後の展望
佐藤 和佳子
1
1山形大学医学部看護学科臨床看護学講座
pp.204
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101027
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今回の事業で排泄ケアマネジメント相談員が各自の所属事業所の排泄障害を有する利用者にケアプラン展開を行ない,研修会で報告した19事例のうち,初期アセスメントから評価まで6週間かかわることができたのは13事例であった。内訳は,排尿障害自体に何らかの改善が得られた「改善事例」が施設5例と在宅2例,日常生活上で何らかの改善が得られた「一部改善事例」が施設2例と在宅2例,変化の得られなかった「現状維持例」が施設と在宅それぞれ1例ずつである。
高齢者の排泄障害については,その様相は複雑であり,課題はあまりにも多い。しかし,各相談員の具体的な取り組みを集積すると,本特集で報告した以外にも6か所の施設で排泄委員会やプロジェクトが発足し,介護研究の報告が行なわれている。さらに相談員間の地区ネットワークを活用した普及・啓発活動や,2007(平成19)年度までに県内7か所の市町村で排泄ケアに関する研修会が開催される経過となった。
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