特集 自己決定を支える排泄ケア―相談員育成による取り組みから
高齢者の自己決定を支える排泄ケアマネジメント―理論とケアプランの展開
佐藤 和佳子
1
,
舟山 恵美
1
1山形大学医学部看護学科臨床看護学講座
pp.182-187
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101020
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進歩する排泄ケア・管理技術
介護や支援を要する高齢者の排泄ケアについて,近年さまざまな進展が見られるようになった。多職種で標準化して活用できる尿失禁分類チェック表,さらに管理方法のアルゴリズムを整備したもの1)や排尿の様態から管理方法を検索する画期的なマニュアル2)が開発され,困難と考えられていた在宅要介護高齢者の排尿管理向上への取り組みが報告されている3)。一方で,自治体においては第3期介護保険改正(2006年)に先立ち,高齢者介護研究会報告書(2003年)「2015年の高齢者介護―高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて」を受け,「オムツ給付」の見直しや在宅における排泄ケアの検討が行なわれるようになった。
このような背景のなか,筆者らは「2003(平成15)年度酒田市オムツ減らし普及事業」において,ケアマネジメントの考え方と米国で効果検証が行なわれている行動療法を活用し,在宅ならびに施設に入所する高齢者を対象に,排泄障害の改善に取り組んだ。さらにその成果と課題を踏まえ,山形県健康福祉部長寿社会課との共同で,県下の高齢者サービス機関に従事する医療・福祉の専門職を対象に,「山形県排泄ケアマネジメント相談員の養成事業」を開始し,2007(平成19)年度まで5年間の活動を行なってきた。
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