連載 管理者日誌①
あれから12年,そして今,私の気づきを通して
中村 路子
1
1医療法人喜望会看護部
pp.342-344
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100665
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わたしが訪問看護師になったわけ
医療の場は,医師や看護師がそばにいて最新の医療機器があり,人も設備もすべて整えられている施設が最高だと思っていた。ところが,ある時そうでないことを知った。
病院での生活を思い浮かべてみるとわかると思うが,決まった時間に起こされ,栄養管理された食事をとり,白い壁と天井を見つめながら眠る。好きなたばこを禁止されるかもしれないし,当然酒を飲むことも許されない。もし不治の癌の患者であったら,限りある人生を死ぬまで病院の規則に縛られたままで療養を強いられる。患者の生活への配慮のない医療が,果たして患者の満足につながるのだろうか。住み慣れた家で家族や友人に囲まれて療養したいのではないだろうか。回復の見込みのない病気ならなおさら,畳の上で最期を迎えたいのではないだろうか。
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