特集 精神訪問看護のコツを学ぶ
精神訪問看護と他科の訪問看護はどう違うのか
望月 哲子
1
1井之頭病院訪問看護室
pp.729-737
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100554
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はじめに
今から約30年前,看護師資格を取得した私は,ある総合病院に就職して看護師としてのスタートを切りました。未熟児室,小児科,混合外科,脳外科,伝染病棟の勤務を経て,子育てを機に病院を退職。地域に根ざした看護をしたいという思いがあり,自宅近くの医院に勤務して訪問看護も行なっていました。その後,現在の精神病院に就職。老人合併症病棟勤務を経て訪問看護室へ異動となり,現在5年目を迎えています。
いわゆる一般科の経験が長かった私が,なぜ精神科看護に関心をもったのか。それは,躁鬱病の母との関わりの経験からでした。また,母の病状や対応の仕方について,いつも真摯に相談にのり,励ましてくれた先輩看護師が精神科の病院に勤務していました。母との葛藤が自分の中で整理されていくにつれ,自分も母との経験を生かして患者さん,ご家族の立場に立った看護をしたい,と思うようになったのです。
本稿では,精神訪問看護といわゆる一般科の訪問看護はどう違うのか,両方の訪問看護に携った経験から,心構えと対応のコツについて紹介します。
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