特集 認知症を正しく理解する
「認知症を知り地域をつくるキャンペーン」の現況―発言し,地域に出る認知症の人たち
大上 真一
1
1国際長寿センター
pp.23-27
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100370
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認知症の人の尊厳を守ることの重要性は,2003年6月にまとめられた高齢者介護研究会(厚生労働省老健局長の私的研究会)の「2015年の高齢者介護」で強く提唱されて以来,広く認識されてきている。しかし提唱から3年を経てもなお,「何もわからなくなったかわいそうな人」との偏見はなくなっていない。認知症の人がすでに全国で170万人に達している現状の中,認知症の人の尊厳を守り,その家族を支えるという大きな課題は保健・医療・福祉関係者のみならず,すべての国民が直面していることである。もはや他人事ではないという意味においても,また認知症は周囲の人々の対応によって大きく進行が左右される病気であるということからも,認知症についての正しい理解が必要である。
国際長寿センターでさまざまなプロジェクトにたずさわっている立場から,認知症を正しく理解するために現在展開されている取り組みについて報告する。
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