特集 在宅医療への追い風に乗る―訪問看護の新たな事業展開と在宅療養支援診療所
在宅でのターミナルケア,ハイテクケアに取り組んで
高砂 裕子
1
1南区医師協会南区メディカルセンター訪問看護ステーション
pp.657-660
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100303
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はじめに
2000年4月に介護保険制度が創設されて6年を経た現在,地域ケアシステムの変化は著しい。訪問看護の活動内容も多様化し,地域における看護ニーズの拡大を日々実感している。
2006年4月,介護報酬と診療報酬が改定された。今回の介護報酬の改定は,中重度者の支援強化であり,中重度の要介護者が,在宅で安心して療養できる環境を創ることをめざしている。そのため,訪問看護ステーションの活動は介護保険制度の中で大きく期待され,報酬でも評価されている。
南区メディカルセンター訪問看護ステーション(以下,当ステーション)は,1995年から神奈川県横浜市において活動を始めた。組織の掲げる理念は,「どのような生活・医療が必要であっても,その人らしく,その家らしく生活できるよう利用者や家族に寄り添った訪問看護を専門性の高いチームで実践する」ことである。そのため,開設当初から,ターミナルケアやハイテクケアに積極的に取り組んできた。
本稿は2005年5月,社会保障審議会医療保険部会で,在宅療養の推進について審議する上での参考人として「訪問看護事業の現状と課題」について説明した内容に,さらに考察を加え,訪問看護ステーションの在宅におけるターミナルケア,ハイテクケアの現状と今後の展望を報告するものである。
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