特集 下痢腸炎の保健指導
間違われている栄養の知識
足立 己幸
1
1東京都衛生局栄養課
pp.28-32
発行日 1967年6月10日
Published Date 1967/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203950
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これは主として公衆衛生の面からいえることだが,わが国民の死因をみても,あるいはこれを乳児死亡に限ってみても,下痢,腸炎のたぐいは年々減少の傾向にある。この原因の疫学的分析はさておくとして,今後この傾向をさらに確固たるものにするには,日頃の規則正しい食生活,正しい知識に立脚した安定した食生活が1つのポイントであることを指摘したい。
しかし,現実には,はき違えた食生活の知識が横行し,いつの間にか,あたかもそれが曲げられない真理かの如くに思いこまれて,そしておそろしいことには,何の抵抗もなく人々の指導の中に繰り返されていないだろうか。健康管理のベテランである諸姉に対してはなはだ失礼な解ではあろうが,ここにはき違えられやすい栄養の知識の中から胃腸疾患に関係の深いいくつかの事柄をあげ何故にはき違えられやすいのか,どんな問題が残されているのかを考えてみたいと思う。
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