なぜ他職種の業務も背負い込むのか？

　前回は，医療，そして看護サービスについて，「情報の非対称性」「不確実性」「外部性」ならびに「価値財」という特殊性から，市場で自由に取引すると有効に資源配分がされず，それゆえ，何らかの政策介入が必要となることを述べた。しかし，政策介入自体は正当化されても，その政策がうまく機能しているとは限らない。そこで今回は，政策の1つである診療報酬制度のしくみによって，看護師が他職種の仕事を引き受けさせられていくメカニズムと，その実態を明らかにしてみたい。