連載 見直そう「儀式」「習慣」だらけの感染管理・10
消毒・滅菌のツボとピットホール・その2
土井 英史
1,2,3,4
1関西労災病院
2岸和田徳洲会病院
3セコメディック病院
4ヘルスケアリソース研究所
pp.324-325
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901409
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無菌性は確率ではかる!
今回は,滅菌のピットホールについて主にお話しします。
まず,「滅菌」とは,従来「無菌」という意味で使われ,概念は絶対的なものであり,「微生物がまったく存在しないこと」でした。ところが,現在の米国のガイドラインなどでは,無菌性は,「微生物学的安全係数(MSI)」で定義され,たとえば,MSIが6だとすると,その製品が無菌である確率が99.999%であることを示すという考え方をします。つまり,無菌性をあくまでも確率の問題であると捉えます。
それでは,滅菌レベルにする必要がある品目には,どのようなものがあるでしょうか。前回,解説したSpauldlng分類を使用すると,通常無菌の組織に接触する品目(たとえば,手術用器具など)がそうです。
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