病棟での消毒・滅菌［2］

医療目的を完全に遂行するとともに，病院内感染を予防するためには，医療環境の清浄化が望まれる．しかし医療環境，すなわち外来・病棟・手術室などの環境を清浄に保つことは，非常に難しい．なぜなら，患者はなんらかの疾病を持ち，その治療・検査のために医療施設を訪れている場合が多く，そのため一般社会環境に比べると，病院などは病原微生物により濃厚汚染されていると考えられるからである．また，抵抗力が減弱していて感染症などに罹患しやすい患者が多いことも，否定できない事実である．

　したがって，医療環境の管理が難しい理由は，感染源となりかねない人と，感染症などに罹患しやすい人を同一施設の中で医療することにある．