連載 見直そう「儀式」「習慣」だらけの感染管理・3
標準予防策(Standard Precautions)を実践しよう
土井 英史
1,2,3,4
1関西労災病院
2岸和田徳洲会病院
3セコメディック病院
4ヘルスケアリソース研究所
pp.772-773
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901283
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標準予防策の背景にあるもの
Infection Controlも随分と広がりを見せているので,タイトルにある標準予防策(Standard Precautions)」も,すでにご存知の方も多いと思います。しかし,「知っている」と「実施している」には,大きな違いがあるので,改めてなぜ必要なのか,お話ししてみましよう。
まず,標準予防策を医療機関に導入することを検討すると,日本でよく耳にする言葉があります。それは「もったいない!」という言葉です。この言葉を聞いたときは,まずInfection Controlをよく理解していないか,よく理解した上での発言なら,患者さんや医療従事者の安全を考えようとする概念がないということで,いずれも落胆させられます。つまり,事故は,他人事という責任志向の問題解決方法を用いてきた最たる結果です。プロとしては失格です。
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