特別記事
フィジカル・アセスメントの重要性と実際
日野原 重明
1
1聖路加看護大学
pp.208-212
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900792
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フィジカル・アセスメントはなぜ大切なのか「方向づけ」としての診断
今までは診断をするのは医師で,看護婦ではないと言い切っていました.ところが,素人でも血圧などは自分で測って,ある程度診断できるようになりました.たとえば,患者が自分の血圧について理解し,「最高血圧が少し高くて,最低血圧がずっと低い.この頃疲れやすいし,ひょっとしたら私は甲状腺機能亢進症ではないか」と言います.それは診断です.今や診断は患者の手でもできますから,ナースが診断するのは当然です.看護診断で看護上の問題を解決するだけでなく,病気のアセスメントまでしないと,ナースの出る幕は次第になくなります.なぜなら,これからの看護は医学と非常に重なり合ってくるからです.現に米国ではそうなっています.そして,早期に診断できれば,早期治療ができるのです.
診断=diagnosisのdiaというのはトランプのダイヤ,対角線のことで,gnosisは知るという意味です.つまり,「十分に徹底的に知る」ということです.
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