特集 日本看護政策研究会第3回フォーラム―「効果的な看護システムの創造―看護システムと経済」
(フォーラムを聞いて)看護を中心とした療養に期待したいこと
石川 左門
1
1東京進行性筋萎縮症協会
pp.161-163
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900243
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
地域ケアシステムと看護
病院の新設や入院ベッドの増設に対する国の厳しい抑制策により,在院か在宅かという患者の選択の自由を大きく制限するようになった.このことで必然的に在宅ケアへの道を指向させるに至った.その背景には高齢化社会への突入や,疾病構造の変化,医療技術の進歩に伴う慢性疾患人口の増大による際限なき医療需要の膨張に比して,これに対応すべき医療資源の拡充の限界という,医療経済的事情の介在を否定できない.
患者・家族らは,必然的にサービスの受け手としての当事者の立場から,地域のなかで生きる希望をもち,さらに地域ケアの条件とは何かという問いに迫られている.当事者らが求める地域ケアの条件としては,看護に対して何を望むかではなくて,むしろ看護は何が担えるかを問いたい思いに駆られる.患者・家族が求める地域ケアの条件として,次の3つを指摘できる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.