書評
ぼくとがんの7年
仲野 徹
1
1大阪大学大学院・病理学
pp.336
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202136
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マッチョ系(?)医師の正しき患者道
闘病記というものは,どのような人がどのような気持ちで読むのだろう。自分が,あるいは親戚や友人が病気になった時に参考にする,あるいは共感を得たいがためにといったところだろうか。しかし,本書はよくある闘病記とは少し違う。より幅広い人たちにとって読む価値のある〈闘病記〉!に仕上がっている。
『こわいもの知らずの病理学講義』(晶文社,2017)という本でいろいろと書いたためか,がんについての講演を依頼されることがよくある。その時,本にも書いた次の二点を伝えることにしている。がんと診断されると,妙に悲観的に,あるいは楽観的になりすぎてしまうから,そうなる前にきちんとした知識を頭に入れておいてほしい。その上で,いざとなったらどうするかを考え,周囲の人と話し,ある程度の覚悟を持っておいてほしい。そして最後にこう付け加える。
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