連載 特定行為研修を修了した看護師としての実践・4
包括的健康アセスメント能力を駆使した看護の展開
平野 優
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1国立長寿医療研究センター老年内科
pp.386-387
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201268
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高齢者医療の転換期を迎え
国立長寿医療研究センター(以下,当センター)は,研究所,もの忘れセンター,研修センター等を併設する病院で,病床数は301床(一般206床,HCU4床,回復期リハビリ病棟45床,地域包括ケア病棟46床)です。私が当センターに入職した経緯は,地域での療養生活を視野に入れた高齢者医療や看護を深く学び,その分野における診療看護師(NP)としての役割を見いだしていきたいと考えたからです。
近年の高齢者医療の動向は,「治す医療」から「治し支える医療」,「臓器の機能回復」から「生活機能の維持・回復」へと転換し,認知症,フレイル,サルコペニア,老年症候群,多くの併存症(多病),ポリファーマシー,意思決定支援,地域包括ケアシステム等,多くの課題があります。2013年には,日本老年医学会等が共同で発表した「高齢者に対する適切な医療提供の指針」(表1)が示され,身体的な問題や医療ニーズに目を向けるだけではなく,個々の生活背景や機能にまで目を配った総合的なアプローチが求められています。そこで,高齢者総合機能評価(CGA)を活用し,看護の視点に加え,医学の基礎的な知識を学んだ看護師ならではのQOLを重視した医療や看護を提供することが可能となり,診療看護師(NP)としての活躍の場があると考えています。
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