連載 管理者のためのブック・セレクション・9
管理職のこころが軽くなる本
内木 美恵
1
1大森赤十字病院看護部
pp.1023
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102238
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- 文献概要
マイナス思考に陥ったとき、するべきこと
医療における健全経営に向けて、私たち看護師は、看護を量的・質的に向上させることで、経営に参画していくことが求められています。これに対し、具体的にどうしたらよいかを専門書や研修会で学び、少しでもよくなるように日々努力をするものの、私のなかではこれだ!とピンとくる対策はなく、焦るばかりでした。
今年の夏、海外出張に行かなくてはならなくなり、病院や看護部の問題に対処すべく機内で本を読もうと考えていたとき、友人が私に紹介してくれたのが『困ってるひと』でした。この本には看護管理も経営もなく、ただ難病を抱えながらも人生を積極的に生きる女の子の日々が綴られていました。著者である大野更紗氏は、困っていることにどっぷり浸かってマイナス思考に陥っても、ただ何もしないのではなく、逆境に対して緻密な計算を駆使しながら計画的に乗り越えていくのです。それが第三者である読み手には軽やかに楽しそうに見えるのです。読み終わったとき、とても清々しく楽しい気分になれました。難題解決に向けた周到な対策と実行力、ポジティブな思考と創造力、そして実践が、成果へとつながることを確信させてくれました。
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