連載 看護と医療政策を考えるヒント・30
日本の医療を国際的に見直す
松村 啓史
1,2
1テルモ株式会社
2厚生労働省中央社会保険医療協議会
pp.1012
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102232
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- 文献概要
先日,北京大学病院を訪問しました。また,友人が米国のジョンズ・ホプキンス病院に緊急入院しました。今回は,この2つの病院の例から,現在の中国・米国・日本の医療供給体制を比較します。
1 中国の医療
現在中国では,患者の大病院志向がきわめて強く,大学病院の外来は大混雑しています。また,すべての医療行為が前金制のため,支払いごとに医療行為が分断され,時間がかかります。加えて,外来診療料金は医師ごとに異なります。一般医師との料金の開きが10倍以上あるにもかかわらず,多くの患者が外来で人気の医師を待っています。医師ごとの診察料金と待ち患者数は,電光掲示板に明示されており,民主的である反面,患者の待ち時間は日本と比べてはるかに長いのが実態です。
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