グラフ
全科にPOSを採用した医科大学—滋賀医科大学を訪ねて
pp.10-15
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207640
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"医大のない各県に医大を一つずつ"という田中内閣の施策に沿って,大津市に滋賀医科大学が誕生したのは,昭和49年10月.昭和50年4月には大津赤十字病院(766床)を関連教育病院として,第1回の新入生を迎えた.付属病院は3年後の53年10月開院,現在600床で,昨年3月第1回の卒業生を送り出している.
開学に際しては,まず国策に沿って地域住民のための医大を作ること,古い大学のもつ権威主義セクト主義,学閥などは極力排除し,新しい大学にしかできないことを実行すること,中に働く全職員が一丸となって患者中心の医療を作っていくこと,を目標に据えた.そこで教職スタッフの選考に当たっては特定の大学に片寄ることを極力避け,教授クラスは京大,京都府立医大,阪大などから均等に招き,同じ大学から10人を越えないように配慮した.さらに助教授・講師クラスはかなり多くの人を市中病院からも招いたという.また若いスタッフの意見を大きく採り入れる方針をとった.そうしたことから一応講座制を敷いているが,POSの採用やproblem中心の新しい臨床医学入門講義などの採用によって講座制の陥りやすい弊害を極力避けるようにした.
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