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「こうのとりのゆりかご」開設から1年を前に
田尻 由貴子
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1医療法人聖粒会慈恵病院看護部
pp.288
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101174
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センセーショナルな報道から
2006(平成18)年11月8日,朝日新聞朝刊に「赤ちゃんポスト設置」という見出しの記事が掲載され,テレビでは全国ネットの朝6時30分の番組で各社が一斉に報道しました。このニュースは一瞬のうちに全国にセンセーショナルに伝わり,慈恵病院には取材陣が押し寄せました。蓮田太二理事長と私は,マスコミ対応の日々が続きました。
同年12月,「こうのとりのゆりかご」設置に伴う,医療法による「病院開設許可事項変更」を熊本保健所に提出しました。「こうのとりのゆりかご」は,どうしても赤ちゃんを育てられないと悩む女性が,最終的な問題解決として匿名で赤ちゃんを預ける窓口です。一般的には1~2週間で許可が出るところを,わが国ではじめての事例であることから行政も慎重となりなかなか許可がおりませんでした。一方,世論は賛否両論の意見が錯綜し,全国の新聞,テレビ,雑誌に取り上げられ大きな話題となりました。
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