連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・30
ほんとうのなみだ ほんとうのいのち―『ビロードのうさぎ』『とおい とおい アフリカの―Elephant Moon』
柳田 邦男
pp.78-79
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101124
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酒井駒子さんも落合恵子さんも,絵本の分野ですでにたくさんいい絵本を作ってきた作家たちだ。ここで取り上げるお二人の最近の絵本を読むと,あらためて《いい仕事をしているなあ》と思う。
『ビロードのうさぎ』の原作者ビアンコさんは,もう半世紀以上も前にアメリカで活躍した絵本作家だが,『ビロードのうさぎ』は今も各国で読み継がれている名作だ。酒井さんはこの物語に抱いた愛着の深さゆえに,自分の世界に引き寄せて甦らせようとしたのだろう。その思い入れは,訳文とやさしさのあふれる絵から伝わってくる。
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