連載 医療安全リーダーシップ・1【新連載】
今,なぜ,“リーダーシップ”か?
石川 雅彦
1
1国立保健医療科学院政策科学部
pp.54-59
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101118
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本連載をはじめるにあたって
患者に安全で良質の医療を提供するために医療安全の推進を図ることは,医療関係者が取り組むべき最重要の課題である。諸外国はもとより,わが国においても,医療制度改革など政策上の取り組みをはじめとして,関係機関や各医療機関でもさまざまな取り組みが行なわれている。しかし,インシデント・アクシデント事例の発生報告数の現状から考えても,さらなる医療安全推進が求められている。
このような状況のなか,医療安全を確保するためには,組織一丸となってインシデント・アクシデント事例発生を予防するための対策実施に取り組む必要がある。現在,医療安全管理者の配置が促進されており,ここで必須となるのはトップマネジメントによるリーダーシップの発揮である。医療安全を取り巻く状況は複雑化しており,職員それぞれが自己の責任を果たすだけでは医療安全を確保することは難しい。今後の医療安全推進に求められているのは,かけ声や指示だけでなく,トップマネジメントが明確な理念を掲げて実際に行動で示すリーダーシップである。
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