特集 ケーススタディ 看護管理者が問題解決能力を発揮するとき
2つの救命救急センターの一体化を目指して―看護師長2人体制から1人体制へ―看護部長としての問題意識と問題解決に至るプロセス
高橋 高美
1
1武蔵野赤十字病院
pp.366-368
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100721
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何が問題だったのか
病院経営を取り巻く環境は多様で,しかも急激に変化している。看護部門の責任者はこのような環境の変化に対応しながら部門をまとめ,部門のもっている力を効果的に発揮する努力を重ねながら病院経営に参画している。
しかし,外部環境の変化を十分に察知していても,部門内部では必ずしもスムーズに対応できるわけではない。特に筆者のように経験の浅い新米看護部長の発案は,現場の責任者たちに「無理ですよ。臨床は,そう簡単に変えられません」とあっさりと退けられることがある。なかでも,看護副部長や看護師長が現在の管理体制を「良い状態」と捉えている場合は容易ではない。しかし,部門の責任者である筆者としては,ただ手をこまねいて待っていても厳しい状況が変わるわけでもなく,あきらめは禁物と改めて肝に銘じるのである。そして,より困難なことに挑戦し,それを克服したときのことを思い描きながら,目標を明確化し,意図的で意識的,しかも計画的に変化させる推進者の役割が部門の責任者として求められていると感じる。
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