特集 NSTとクリニカルVEで考える医療・看護の機能を向上させる“チーム”
【対談】NSTを支える“価値”マネジメント―クリニカルVEの考え方
東口 髙志
1
,
坂本 すが
2
1藤田保健衛生大学外科・緩和ケア講座
2NTT東日本関東病院看護部
pp.10-17
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100002
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チーム医療を支える方法論
“クリニカルVE”
東口 全国にNST(Nutrition Support Team;栄養サポートチーム)導入の動きが急激に広まっています。日本静脈経腸栄養学会の報告によると,2005(平成17)年9月30日現在,NSTが稼動している施設は601あります。さらに280以上の施設が,準備中という状況です。これまでの経験からいうと,ただ単にNSTを設立したというだけで,適正かつ活発な活動がなされていなかったり,明確な目的や方法論がないと,病院内で受け容れられなかったり,社会的にも確固とした地位を得ることは難しいといえます。
まずは,患者にとってメリットのあるチーム医療でなければいけないわけですが,その方法論として,クリニカルVE(Value Engineering;価値分析)の考え方が非常にフィットしているように思います。病院全体で取り組むときに,各チームのスタッフ,場合によっては全職員が,NSTを導入することでどういう価値が生じて,患者にどういうメリットがあるか,ひいては医療全体にどういう良い影響があるのかということを知る必要があります。
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