連載 健康科学の未来を拓く—研究所紹介
高齢者痴呆介護研究・研修東京センター
pp.348-349
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900628
- 有料閲覧
- 文献概要
新しい形の研究センター
高齢者痴呆介護研究・研修東京センターは,厚生労働省などの公費によって建てられ,2001年4月より社会福祉法人浴風会によって運営される,新しい形の“ナショナルセンター”だ。同様の高齢者痴呆介護の質向上をめざす研究・研修センターは宮城県仙台市,愛知県大府市にも設立され,3センター運営協議会などを通じて連携を図りながら政策的な提言や都道府県レベルでの痴呆介護の人材養成といった役割を担っている。
痴呆介護の研修はこれまでもさまざまな形で行なわれてきたが,標準化されたカリキュラムを持たないために内容は現場に一任され,投入された費用に見合った効果を十分あげてきたとはいいがたかった。しかし,今後の後期高齢者の増加を考えると痴呆介護の質向上は急務の課題であり,標準的なカリキュラム開発や教育・研究を一体化して進める中核的なセンターの必要性が高まった。ただ,大学などの学校法人では病院とは異なる特別養護老人施設などを直接設置・運営できない。そこで,痴呆性高齢者の生活環境に応じた実践的な研究・研修を行なう場として,病院や老人福祉施設を持つ浴風会などの社会福祉法人に設置するに至った経緯がある。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.