特集 看護における質的研究—質的研究で看護の何が見えるのか 聖路加看護大学公開講座委員会編
第2章
質的方法論の種類とタイプ
Barbara Bowers
pp.309-319
発行日 1993年6月15日
Published Date 1993/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900147
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1.質的方法論
質的研究についてのさまざまな方法論について論じてみたいと思います.まず,いくつかの研究手法は,解釈的科学哲学に基づいているものもあり,その他のものは明らかに先ほどからお話ししています実証的分析的な科学の領域に入っているものもあります.逆に言うと,これは質的な研究のタイプなのか,量的な研究のタイプなのかということを研究ごとに分けることがあまり役に立たない場合もあるというわけです.時には,このような手法の利用についてもどちらの科学哲学から成っているかを判断するには混乱が生じていると思われることがあります.すなわち,研究者の方でこれを質的な研究を使うのか,あるいは量的な研究を使うのかということで差異が見られる場合もあるからです.
今日お話をしますこの部分は,質的方法論がどんなラベルづけをして見ているかということを論じるに当たって,さまざまな論議がされているところであり,研究者の間においてもかなりの意見の相違が見られるので,まず,それを踏まえて話を聞いていただきたいと思います.
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