焦点 寝たきり老人の看護に関する研究[1]
綜説
寝たきり老人の看護と看護研究の枠組み
竹内 孝仁
1
1日本医科大学第2病院リハビリテーション科
pp.300-306
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900086
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[老人に関するCare(ケア),Education(教育),Research(研究)研究会(略称CER研)、では1年半にわたって「寝たきり老人」に関する研究討議を行なった。その内容は,具体的な研究テーマを設けて調査研究を実施するには至らず,むしろその導入部として「寝たきり」に関する現状を分析的に総覧したというものである。しかしそのような検討から浮かび上がってきたことは,「寝たきり」の定義や用語の曖昧さに始まり,この結果として数多く行なわれている実態調査の不整合,学術研究としての困難さ,あるいは家族問題やケアの枠組みの不透明さなどである。
「高齢化社会,という言葉を使うまでもなく,我々の生活の現実の中に「寝たきり」や「痴呆」老人の問題が大きな影を投げかけている。こうした現実を前に,この問題への合理的な取り組みが急がれなけばならないが,その根拠となる理論的枠組みが作られていない――これがCER研の結論であった。
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