特集 慢性看護学における事例研究法の進展
4論文作成をサポートする—サポートの実際
—サポートする立場から—事例研究に仕立てる道筋としての事例研究チェックリストの活用とメンバーチェッキング
東 めぐみ
1
1順天堂大学保健看護学部
pp.543-545
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202151
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勤務病院で専門看護師の会を開催して事例検討を行う
以前勤めていた職場では,筆者が初めての専門看護師だった。1年働くうちに,看護部長から,博士課程が修了した専門看護師(以下,CNS)が就職すること,そしてその少し後に,もう1人のCNSが就職することを伝えられた。それまで,CNSと同じ病院で仕事をしたことがなかったため,とても楽しみにしていた。2人が就職してしばらく後,3人で専門看護師の会を始めた。その時々に気になった事例や過去の事例を持ち寄り,検討を始めた。「いつか,事例研究にしたい」と思いながら実践記述の読み合わせを継続し,その積み重ねが,事例研究論文につながった。
がん看護CNSのAさんは当初,2事例を分析して,論文化したいという希望があった。「2事例を分析することで,事例の差異や支援の共通点を見出せるのではないか。それを考察したい」との思いや事例の分析の視点など,明確な考えをもっていた。読み合わせをすることで,参加者が患者の状況を相互理解できるとともに,記述されていないAさんの判断や行った支援が語られた。そういうとき,Aさんは次の会までに,検討会において口頭で説明した内容を記述に追記した。
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