連載 こころのフューチャー・デザイン―「未来人」からみた現代の精神医学
AIによる未来の「人間」消滅の危機――フューチャー・デザインで予防可能か?
加藤 隆弘
1
1北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室
pp.795-800
発行日 2025年12月5日
Published Date 2025/12/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt51060795
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はじめに
「フューチャー・デザイン(Future Design)」は,持続可能な社会を創出するために,存在しない将来世代に代わって「仮想将来世代」の未来人を現世代(いま・ここ)に導入し,新たな社会を創造する枠組みのことです。連載では,フューチャー・デザインを精神医学に導入し,現代の精神医学・精神医療における諸問題・課題について読者の皆さんと考える場を提供してきました。前回は,ロボット精神科医「ココえもん」による2050年の精神医療の仮想体験を通じて,ロボットが精神医療にどのような変革をもたらすのかを展望しました。連載もいよいよ最終回です。AIが人間の「こころ」にどのような影響を与えるのかをフューチャー・デザインで描きます。AIの進化がもたらす可能性と危険性を描きながら現代の私たちにどのような教訓をもたらすのかを探り,連載を締めくくります。

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