特別記事
特別養護老人ホームにおけるミューチュアル・アクションリサーチ─自己革新のプロセスをたどる実践研究手法の適用
小山 千加代
1
1新潟大学大学院保健学研究科
キーワード:
特別養護老人ホーム
,
介護保険施設
,
ミューチュアル・アクションリサーチ
,
実践研究
,
看取り
Keyword:
特別養護老人ホーム
,
介護保険施設
,
ミューチュアル・アクションリサーチ
,
実践研究
,
看取り
pp.727-735
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201210
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はじめに
看護研究は,その成果が看護を受ける人々の幸せにつながるであろうことをめざして行なわれる。
それゆえ,研究の場がコントロールされ,静止した状態の中で行なわれる研究のみならず,研究室や実験室から離れ,種々の要素が絡み合い,一瞬とて止まることのない臨床の場で,そこで働く人々とともに看護の質の改善に取り組むという研究手法は,とりわけ看護において重要と思われる。研究成果の実践への活用,および研究者と実践者との協働の必要性については,従来から,指摘されてきたことでもある。
本稿では,遠藤ら(2003)の開発による,ミューチュアル・アクションリサーチのプロセスモデルを参考にして,筆者が実施した東京都内の特別養護老人ホームにおける「施設ならではの看取り」への取り組み(小山,2011)について,紹介する。その際,まず,理論的前提について述べ,次に研究のプロセスおよびアクションリサーチにおける研究者の役割や研究者と実践者との協働のあり方を記して,実践研究の意義について考察する。
現在,介護保険施設での「看取り」が進められている中で,看護・介護の質の確保は重要な課題であり,本研究の手法を老年看護学領域における実践研究の一つとして参考にしていただければ幸いである。
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