研究を志す人のために
看護における研究—研究の正しい理解のために
草刈 淳子
1
1千葉大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程
pp.237-247
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200665
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Ⅰ.研究についての正しい理解のために
"看護研究"が看護学校のカリキュラムに加わってから13年余りになる。さすがに,看護研究は症例研究であると単純に割り切り,それを演繹的に発展させることなく,反射的な行動の構築のみを重視するような理解はなされなくなったとはいえ,実態的には,さまざまな制約の中でそれらが払拭されたといえるまでには至っていないのが現状であろう。
三年制課程で,何らかの意味をもつ完結した看護の研究をなしとげようとすることは,現実に無理なことが多い。研究を実践し,一つの結論を得ることは決してたやすいことではなく,そのことに,より専念すべき大学の中でさえ,かなり困難を伴う仕事である。本格的に研究とみなされるものは,卒後または大学院教育の中でなされるものであろうということは,前回の中で大方理解されたことであろう。
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