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海外論文
母乳栄養の開始時期決定に関する一実験
An Experiment to Determine a Basis for Nursing Decisions in Regard to Time of Initiation of Breastfeeding
Henrietta Eppink
1
,
武山 満智子
2
1ミシガン州立大学看護学部母性看護学教室
2元:東大分院健康指導部
pp.62-71
発行日 1970年1月15日
Published Date 1970/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200168
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この研究で答を見いだそうとしている中心課題は,「新生児は生後24時間以内に母乳栄養を始められる状態にあるだろうか」ということで,この問題は,産科看護を教えている中から,またLaLeche Leagueや国際出産教育学会での討論の中から生じてきたものである。24時間以内に母乳を始めることに対する反論の中で最も多いのは,乳児が多量の「粘液」を出すことや,潜在性の気管食道瘻の可能性があることで,それらに付随していくつかの問題点が生ずる。その中には,1)この「粘液」は24時間以内の母乳栄養開始に妨げとなるだろうか? 2)早期に母乳を始めると,粘液による気道閉塞の危険がますであろうか? 3)哺乳びんで水を与えたり,24時間の間,乳児の様子を観察する以外に,潜在性の食道奇形を発見する実際的,かつ効果的な方法はないだろうか?などがある。
早期の母乳栄養開始は全く初めての試みではない。Michael & Niles Newtonは母乳栄養に関して,現代の病院でのやり方に慣れている読者には全く信じられないようなことを記述している。そして彼は,それが人類の歴史上,ほとんどの時代にもなされてきたことであり,いまも世界の諸所で行なわれていると述べている。すなわち,乳児は生後数分ないし数時間のうちに母乳を飲みはじめるが,その開始時期は,母乳と乳児双方の覚醒度できまる。
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