総説
社会科学的研究とはどういうものか
松原 治郎
1
1東京大学教育社会学
pp.6-11
発行日 1968年1月25日
Published Date 1968/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200087
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1.社会科学の概観
社会科学(social science)は,いうまでもなく社会事象に関する経験科学である。つまり経験を基礎にして,社会現象のもつ法則性をいろいろな角度から追求する諸科学の総称であるといってよい。一般に社会科学には,経済学・政治学・法律学・社会学・文化人類学・社会心理学,あるいは教育学(とくに教育社会学)・宗教学(宗教社会学),さらには人口学・社会地理学などがあげられる。
ところで,これらの社会諸科学は,必ずしもすべてが並列的におかれるべきものではなくて,それらを大きく二つの学問系列に分けて考えるのがいいようである。その第1は,経済学・政治学・法律学・教育学・宗教学などの一群の学問分野であり,第2は,社会心理学・社会学・文化人類学などの一群のものである。
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