研究
プレイ インタビュー—第I部 精神障害児と正常児のプレイ インタビュー 第II部 精神発達遅滞児・精神障害児・正常児のプレイ インタビュー
上田 礼子
1
1東京大学医学部保健学科
pp.179-191
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200060
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はじめに
「看護とは何か」ということは古くてしかもつねに新しい問題のように思われる。本誌の創刊号においても2〜3の著者1)2)らがこの問題についてふれていることでもあり,私はここで真正面からこのことを取り上げるつもりはない。ただ,ナーシングは対象の潜在的covertな,あるいは顕在的overtなあらゆるニードを,その人が自分で満たすことができるようになるために援助する仕事に属する,という定義には問題がないとしても,対象のニードを看護の立場からどのように把握するかということにはきわめてむずかしい問題があるように思っている。
そして,今までの看護研究といわれるものには,対象によるニードの違いに着目し,分析,類型化し,その必要性を満たすための方法を考えるという手続きをとった研究が比較的少ないように思われる。私がこれから取り上げようとすることは,上記のような考えに基づいて,対象を知的な障害あるいは適応障害をもった子どもとし,彼らが,どのようなニードをもっているかを明らかにし,理解し,援助するための方法に関する研究であるということができる。子どものニードを把握する方法として大人に用いる方法をそのまま適用することはできない。彼らはコミュニケーションの手段としての言語能力が未発達なので,プレイ インタビューという技術を用いた。
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