特集 看護研究におけるテキストマイニング(I)
統合失調症当事者の語りのテキストマイニング―闘病記のタイトル分析を中心に
小平 朋江
1
,
いとう たけひこ
2
1聖隷クリストファー大学看護学部
2和光大学現代人間学部心理教育学科
キーワード:
テキストマイニング
,
統合失調症
,
闘病記
,
ナラティブ
,
知識創造
Keyword:
テキストマイニング
,
統合失調症
,
闘病記
,
ナラティブ
,
知識創造
pp.485-492
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100821
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はじめに
当事者の病いの語り(ナラティブ)は実践や研究,教育など多様な分野で注目されるようになり,Kleinman(1988)が,「慢性の患者は,自分の病いについての専門家」「学生の経験は,患者の世界から生まれた伝記やフィクションを読むことによって豊かなものにすることができる」と述べた通りである。
筆者らは当事者の知恵が豊かに含まれる闘病記などのナラティブは,看護学などの教材として活用できることを提案し,そのような教材を「ナラティブ教材」と命名した(小平,伊藤,2009;小平,いとう,2010ab)。看護学教育および看護師の知識創造にとって,当事者のナラティブの意義は大きい(小平,いとう,2010ab)。
本稿では,まずウェブサイトや闘病記における統合失調症の語り(ナラティブ)の重要性について述べる。次に,筆者らによる,テキストマイニングの手法で統合失調症当事者の語りの構造を,質的量的に明らかにした研究を紹介する。そして,217冊の統合失調症闘病記のタイトル分析を行なった研究について述べ,当事者の語りをテキストマイニングで分析することの意義を論じたい。
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