焦点 新たな創造に向けた看護研究─先端的試みをどう活かすか
先端研究を看護実践に活用する
川口 孝泰
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科
キーワード:
看護実践
,
先端研究
,
テクノロジー
,
エビデンス
Keyword:
看護実践
,
先端研究
,
テクノロジー
,
エビデンス
pp.499-504
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100478
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はじめに
「先端研究を看護実践に活用する」というタイトルを目にした方々のなかには,「自然科学中心の科学論を“先端研究”と定義し,実践とはほど遠いガチガチの科学論を基盤とした研究のあるべき姿をまとめるのだろうか?」なんて考えた方も多いかもしれない。筆者は,一看護師として30余年にわたり看護と向き合い,哲学してきた経験から培ったものを基礎に,看護学の立場から本号焦点のテーマである「新たな創造に向けた看護研究」とは何かについて,まとめてみる。今日の看護学を構築してこられた諸先輩からすると,青臭いことを記してしまうかもしれない。しかし,本焦点を通して筆者の考えを曝け出し,批判や助言を受けながらも,次の段階に自身を進める機会ともしたいと考えている。同じ悩みを抱えている同志たちへのメッセージとなればとも祈りながら……。
ということで,本題に入る。まずは先端研究というと,20世紀の中盤から後半に起こった科学革命のキーワードともいえる,「テクノロジー」あるいは「科学技術」という言葉を確認することから始めることが肝要であろう。そこで,これらの語句に少しこだわってみることから始めたい。
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