特集 新世代がつくるお産の場 わたしたちの助産院
[コラム]母子を中心に,医療・教育・研究・行政と開業助産師をつなぐ「静岡モデル」—濱松加寸子先生に聞く
編集室
pp.542-543
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202216
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嘱託医療機関との連携を県助産師会が支援
開業して分娩を扱う助産師は,妊婦等の異常に対応できる病院もしくは診療所(以下,嘱託医療機関)を定めることが義務づけられています(医療法第19条)。さらに2018年の医療法改正によって,施設を持たず出張のみで分娩を取り扱う開業助産師に対しても,医療機関との連携が義務づけられました(ただし搬送の際には,必ずこれらの医療機関を経由しなければならないという趣旨ではないとも明記されています)1)。助産所における出産の安全性を高める取り組みではありますが,嘱託医療機関や嘱託医師を確保することが,開業に向けた困難の1つとして語られるようにもなっています。
そんななか,静岡県助産師会には,開業助産師と医療・教育・行政をつなぐしくみがあります。その一環として,静岡県助産師会や静岡市助産師会が医療機関と嘱託契約を結び,「助産師会に所属する開業助産師はその医療機関を嘱託医療機関として定めることができる」という取り決めを行っています。実際に開業する際は,近隣の産婦人科医療機関との顔の見える連携が欠かせないものの,助産師会によるこのバックアップがあるおかげで,開業に向けた困難が少なくなったと語る助産師の声があります。
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