連載 『産み育てと助産の歴史』から見える未来・1【新連載】
お産は社会の窓
白井 千晶
1
1静岡大学人文社会科学部社会学科
pp.748-750
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200592
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「出産の歴史」との出会いと変わらぬ思い
「お産は社会の窓」。出産の歴史研究を始めて20年余りになりますが,当初から変わらない思いです。
私が出産の歴史に出会ったのは大学4年生の時,友人に薦められて読んだ『ある近代産婆の物語』(西川麦子著,桂書房,1997)がきっかけでした。明治期に新しく定められた産婆資格を取得した産婆が,能登の地域社会を改革していくライフストーリーを描いた書籍です。1人の産婆の人生の軌跡からさまざまな生活や歴史がありありと浮かびあがり,「お産は社会の窓だ」と目から鱗が落ちる思いでした。
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