レポート
パースにおけるNBAC(Next Birth after Caesarean)クリニックでの研修報告—帝王切開を経験した女性への助産ケアとは
鳥越 郁代
1
,
中根 直子
2
1福岡県立大学大学院看護学研究科助産学領域
2日本赤十字社医療センター看護部
pp.678-682
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200551
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研修報告に先立ち
日本の帝王切開率は19.7%(2014年)であり,30%を超えている先進諸国(アメリカ,イギリス,イタリア,韓国)と比較すると,低率であるといえる。しかし,その数値は年々上昇傾向にあり,この30年間で2倍になっている。帝王切開の理由として,出産年齢の高齢化,妊娠高血圧や糖尿病などのハイリスク妊娠の増加が考えられているが,帝王切開後の経腟分娩(Vaginal Birth after Cesaeran:VBAC)の減少に伴う既往帝王切開の増加が一要因として注目されている。
全国の分娩施設(病院・診療所)を対象とした調査(2011〜2012年)によると,VBACを希望する女性の受け入れ施設は,回答施設499のうち154施設(30.9%)であった1)。しかし,帝王切開既往妊婦の試験分娩(trial of labor after Cesarean delivery:TOLAC)に伴う子宮破裂のリスク回避の風潮によって,TOLACを受け入れる施設は,さらに減少していることが予測される。
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