連載 スクリーンのなかの助産師 出産シーンあれこれ・3
—子どもとともに生きる勇気を与えてくれる映画—「うまれる」
渡辺 俊雄
pp.242-243
発行日 2015年3月25日
Published Date 2015/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200154
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この原稿の連載を依頼された当初は,私がもっとも好きで得意とする山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズで1話書こうと意気込んでいたが,よく考えてみたら,渥美清が世界最長の48作という長寿シリーズで演じきった主人公「寅さん」は万年独身で,出産とはほど遠い存在であることに遅ればせながら気づいた。もちろん細かく見ていけば,第29作「寅次郎 あじさいの恋」では,マドンナ・いしだあゆみの母親がベテランの産婆さんらしく,夜遅くの出産のために,てきぱきと用意をして家を出て行くシーンなどがあるにはあるが,それ以上に話は広がらないのである。
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