この本,いかがですか?
『新生児集中ケアハンドブック』
滋田 泰子
1
1日本赤十字社医療センターNICU
pp.891
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102610
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皆さんは新生児学を学ぶとき,どのようなテキストや参考書を手にするだろうか。私は助産師学生の頃から医師によって書かれた新生児学の入門書をバイブルにして育ち,新生児集中ケア認定看護師となった今でも,この本を基本的な必読書として紹介してきた。
しかし,このたび英国の新生児看護領域でもっとも信頼できるテキストといわれ,すでに世界各国の教育現場で実際に活用されている『新生児集中ケアハンドブック』が翻訳された。このハンドブックは,なにより「看護職によって看護職のために書かれたテキストである」ということが特徴だ。新生児の解剖・生理学的な特徴や新生児特有の疾患に関する病態生理,蘇生や出生後の一般的な管理だけではなく,看護職ならではの視点が記されている。たとえば,「エビデンスに基づく新生児看護の実践」「診断や治療における処置」「NICUにおける痛みとその管理」「新生児の薬物療法」「新生児の麻酔や新生児外科」などは,最新のエビデンスによって裏付けられた管理方法や看護の役割が紹介されており,臨床現場で実際に看護提供する際にすぐにでも活用できる。また,「NICUにおける死別」「倫理と新生児看護」などは,ホリスティックな看護の提供や倫理的感能力を磨くためにチームで共有すべき内容である。
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