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『母乳育児学』
井村 真澄
1
1日本赤十字看護大学大学院
pp.177
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102405
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白を基調にしたシンプルで美しい表紙,厚さ7mm程度のハンディな本書を手に取り,執筆意図と斬新な内容構成を見て,驚きに近い感動を覚えた。本書は,これまでに類を見ない画期的な母乳育児の教科書であり,まさに圧巻である。
本書は,一義的には医学部学生向けに執筆されている。医学教育の中で「標準的」かつ「系統的」な母乳育児教育を行なうことを目標に,母乳育児のminimum requirementsが提示され,各章ごとに「学習するのに適した学年」や「行動目標(SBOs)」が記載されている。これは助産学・看護学・歯学・薬学にも共通するものである。さらに巻末参考資料には,医師国家試験出題基準と問題,学生時代に履修すべき一般目標(GIOs),研修医の学習案まで提案されている。この構成から,基礎教育から卒後教育までを見据え,臨床実践の変革を目指す著者の卓越性と先見性,そして静かな熱意が垣間見える。
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