連載 りれー随筆・312
母親へ,子育てのメッセージを
渋川 あゆみ
1,2
1マザリー産科婦人科医院
2いっしょに子育て研究所
pp.1138-1139
発行日 2010年12月25日
Published Date 2010/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101786
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産婦人科開業で訪れた転機
私は,病院に勤務をした後,結婚と同時に専業主婦になり,一男一女を出産して,育児にとっぷりと浸かっていました。当時は,助産師の資格を持って子育てができて,なんだか得しているなあ,と思ったものでした。
1993年,転機が訪れました。産婦人科医師の夫が開業することになり,私は助産師として現場復帰することになりました。開業前,夫婦で互いの理想を語り合いました。私は自分自身の出産を振り返り,次のようなことを話しました。出産の時,先輩助産師が分娩第1期からずっと腰をマッサージしてくれたことが心強く,今も忘れられないこと。新生児室に収容されたわが子に初回授乳で会うまでの時間が本当に長かったこと。第2子は自宅で産んでみたかったが,夫の説得で諦めたこと。せめて長男を立ち会わせたかったけれど大学病院では叶わず,入院中,息子が心配でたまらなかったこと。そうした私自身の経験を踏まえて,可能な限り産婦の願いに近づけるようにと考えました。
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