特集 やっぱり開業助産師になろう!開業への一歩を踏み出すその前に
助産師にとって「開業」とは
岡本 喜代子
1,2
1社団法人日本助産師会
2おたふく助産院
pp.843-849
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100831
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はじめに
筆者は本年7月,丸9年勤務した日本助産師会の常勤職を辞し,現在は,後任の着任まで,非常勤の事務局長として日本助産師会に勤務している。
本年6月,私の長年の夢であった助産院の開業が思いがけない形で実現した。志を同じくする友人と東京の八王子市片倉町で,「おたふく助産院」を開業したのである。
今回,本誌編集室より原稿依頼を受け,「助産師にとって開業とは何なのか」について考えるチャンスをいただいた。
現在,産婦人科の開業医師が分娩の取り扱いを中止してきている時節に,医療を独自の判断で実施できない助産師がなぜ,あえて開業するのか。この問いは,助産師に対して非常に大きな困惑を突きつけるものである。この問いに答えることは,非常に大きな社会的・文化的意義を社会に提示していくことにもなると思う。と同時に,いまの私自身の生き方にも深くかかわる事項でもある。
その答えは,助産師のここ50年間の時代的変遷と出産形態の変化などの社会的変化とも関係している。
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