連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・1【新連載】
「ハプン」の国,フィリピン
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.364-365
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100720
- 有料閲覧
- 文献概要
「フィリピンは何でもハプン(起こりうる)の国ですからね」。これはとある文化人類学の教授がおっしゃっていた言葉だ。何が起こっても,どうなっても,それはフィリピンだからという意味である。とにかく,予想がつかないことが起こる。しかし,受け皿が大きいというか,いい加減というか……,フィリピンはそんな不思議な国なのかもしれない。
私はもうすぐ37歳になる。夫の仕事(IKGS緑化協会という植林NPO)の都合で,ここフィリピンに暮し始めて7年目に入った。私たちが住んでいるマンガハンは首都マニラから車で5~6時間北上した所にある,ピナツボ火山噴火の被災民に開かれた再定住地だ。ここには今でも貧しい人々が暮している。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.