特集 助産師による性教育を実現するために
男性看護師が行なう思春期の性教育―男子への性教育を中心に
寺内 康人
1
1獨協医科大学病院皮膚科病棟
pp.323-326
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100710
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
男性看護師がなぜ「性教育」にかかわろうとしたか
私が勤務している皮膚科病棟には10代の若者の入院が多い。入院してくる若者は,性に関する関心が高く,特にSTD(性感染症)のことが話題になる。思春期の女子からは,「性感染症ってどんな病気? すぐうつるの?」や「周りの友人が性交をしているから自分も早くしなくちゃ」などの言葉が聞かれるのに対し,思春期の男子は羞恥心が強く,性に関する悩みや,不安をあまり表現しない。このような入院患者個々に対応している時期に栃木県看護協会主催の「思春期の性の実態」の研修会に参加した。この研修で県内の10代の人工妊娠中絶の多さや性感染症の新たなデータや状況を知り,愕然とした。
その中で,一番関心を抱いたのは,男子生徒の「性に関する悩み」に対し相談に乗れる相談員が少ないという実態であった。学校生活で,男子生徒が女性の養護教諭に,性の悩みを打ち明けるというのは勇気がいる。羞恥心もあり十分な相談もできず悩みも解消されないということが予測された。そこで「それなら自分が相談に乗ってやろうじゃないか」と1人の看護師として,同性として,性に関する自分の悩みを解消できずにいる男子生徒諸君の,相談・指導を行ない,思春期の若者たちの役に立ちたいと思った。また,男子生徒に限らず思春期を迎えた生徒たち全体の役にも立ちたいと素直に思った。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.